中日名流第37期

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★上記記事の訳文★

 

麗しい歌声で友好の虹を架けたい!

~ 在日ソプラノ歌手 秦 琴さんを訪ねて~

  

                             本紙記者/ 林 文暁

 

 

 在日ソプラノ歌手秦 琴さんの音楽活動は、昨今、多くの人たちから注目されている。そんな秦 琴さんの成長の過程にまず触れてみたい。

彼女の父親は、四川省でも有名な作曲家です。秦さんは幼少のころからその父親の指導を受け、歌唱、キーボード,音譜の読み方等の勉強を始めました。高校卒業後、四川省内でも音楽の専門校として名高い、四川音楽学院音楽教育学部に本科生(4年制)としてトップの成績で合格しています。

 在学期間中、優れた音楽の素質と勤勉な精神を発揮し、多大な好評を得ています。小学生時代から慣れ親しんだ歌唱力とピアノ演奏は、伴奏の面においても実力を見せ、4年間にわたって、同大学の大合唱団の練習時に、伴奏を担当しています。大学での履修科目である声楽、ピアノ、ソルフェージュ(視聴覚訓練)、作曲、和声学等で同級生中、第1位の成績を収め、卒業しました。卒業時に行われた、同大学の公開招聘試験を経て、教育者として同大学に残り、教壇に立つこととなりました。同大学において7年間、教育者としての経験を積んだのち、日本留学を決めています。

 さて、日本に来てからの彼女は、日本でも指折りの音楽名門校、武蔵野音楽大学(在東京)大学院の音楽研究科修士課程に合格し、イタリア歌劇(オペラ)と歌曲を専攻するとともに、ドイツ芸術歌曲の演じ方、歌唱方法も修得しています。修士課程2年生になると、声学部教授達からなる検討会議を経て、学生代表に選ばれ日本のオペラ界の巨匠や、同校の特別招聘教授、松本美和子(日本人オペラ歌手、声楽教育家)氏について研鑽を続ける機会にも恵まれています。

 卒業時には、留学生では初めての卒業時に2次試験に進める学生となり、同校における留学生の歴史を塗り替えました。(二次試験というのは、卒業生に対し行われる卒業試験の後の2次試験の事で、その目的は、卒業生の中から将来、重点的に養成を受けるに足る人材を選抜することにあるのです)

 2007年彼女は、修士の称号を得ると、松本美和子教授に師事し、引き続きヨーロッパのクラッシックオペラと歌曲の歌唱法について勉強しました。彼女の声の特徴は、歌曲のコロラトウーラのソプラノで、音色はナイーブでかつ澄み渡り豊かな音楽的表現力をもっていて、とりわけローマン主義の早期と、美声歌唱法を演じた、代表的作曲家ベツリーニとドニゼッテイ等の作品を得意としています。彼女はまたイタリアやフランスのオペラの歌唱法についても大変深い造詣を持っています。

 ところで彼女は、日本での演奏活動において、大変多くの賞を獲得しています。主なものとして、

・2005年1月、川崎市教育委員会、川崎市国際交流協会主催の第5回外国市民音楽大会で1位を獲得

・2008年4月には第21回“アジア国際文化芸術祭では銀賞に輝き

・2009年5月、インターナショナル大祭での受賞者としてアジア音楽芸術祭への招聘を受け

 

そのほかに2009年11月にはオーストリアのグラーツ音楽大学ピアノ教授李清氏とのコンサート“忘れえぬメロデー”で共演を予定しています。

さて、秦琴さんは日本に来てからも故郷と故郷への愛情を忘れず、華僑、華人が主催する各種の音楽活動に積極的に参加しています。横浜港南区国際交流センター、駐日中国大使館の建国の夕べと新年の夕べ、東京大学学友会、全日本学友会、横浜華僑協会、東京華僑総会等にはたびたび招聘され、上記団体が組織する活動にボランテア出演しています、その上、2008年2月には、若い在日芸術家として、中国大使館主催の“在日芸術家元宵節の夕べ”に招かれ参加しています。

秦 琴さんは将来の芸術活動に対し大いなる自信を持っています。彼女の麗しい歌唱法は、高尚な芸術作品の域に達し、すでに多くの中国人と日本人のフアンを獲得しています。彼女は、歌は、国境や民族を越えた美しい芸術であると信じており、歌を通じ、友好の虹を架けるための立派な使者になることを希望しているのです。

 

訳注:

・ソルフェージュ:譜読み、聴音などの能力やリズム感、表現力を養うための基礎教育

・コロラトウーラとは、18~19世紀にオペラのマリアなどで多く見られる技巧的で華やかな旋律

・和声(学):一定の法則に基づく和音の連なり、ハーモニー(の学問)